のびのびと育てることが美味しさの秘訣。
余分なものは使わない。
志摩の自然を活かして栽培する。
‘I do not care about the small thing. I do not use the extra things.
I just keep it natural as it is and cultivate it.’
きっかけは市役所から届いた
遊休農地についての文書であった。
近年、全国いたる地方で遊休農地が話題になるが、
ここ志摩でも戦後の産業の変化により
遊休農地がたくさん増えた。
先代より譲り受けた農地を貸すか興すか選択することになり、
それを機に温暖な気候と伊勢志摩ならではの
自然資源を利用してさとうきびを作り始めた。
化学肥料や化学農薬は使わない。
自然のものだけを活用した自然栽培である。
まずはさとうきびの栽培用地づくりから開始した。
化学肥料は一切使わず、志摩の海ならではの海藻を天日に干して
肥料を自作する。大切に育てたさとうきびの苗株を畑に植え付け、
手作りの海藻肥料を散布することで、
さとうきびはどんどん成長し初冬に収穫できるようになる。
平成29年度からは収穫作業のうち可能な範囲は地域の障害者施設の
作業として委託することにした。
施設側も資金を稼ぐことができるため、快く引き受けてくれた。
みんなが暮らせる心豊かなまちづくりにも繋がる試みである。
そして刈り終えた後の葉や絞り粕は次の土壌の肥やしにし、
土に戻す。自然の循環で無駄なゴミは排出しない。
刈り取られたさとうきびは、一本一本丁寧に搾り、
鍋で時間をかけてじっくり煮詰めていくことで
風味豊かなシロップになる。
このように用地開拓から試行錯誤を繰り返して3年。
情熱のさとうきびシロップが出来上がった。
比較的温暖ながら、
四季の移り変わりをしっかり感じることのできる
恵まれた気候の志摩の地は、バラエティ豊かな農作物が育つ。
そして英虞湾の絶景を見下ろす丘の斜面の
自家農園の澄んだ空気の中で、
太陽の光と潮風を受けて元気に育つ農作物も、
志摩人の気質に似て素直でまっすぐで、
香り豊かな絶品である。
The farm products are brought up in the ground of Shima of the comfortable climate that can feel the change of the four seasons well.
And the farm products which received the light of the sun and sea breeze in clear air are brought up well.