2020年7月9日
90歳が私に伝えようとしたこと~誰かが背中を押してあげないとうまくいかない~
90歳ヒアリングが終了した後に、90歳の方との別れ際に、「昔と今の大きな違いは何ですか?」という問いに対して、「今は求める者には与える社会だが、求めない者には与えない社会だ」という回答をされた。例えば、昔は新しいお嫁さんが村に入ってきた場合、おせっかいおばさんがおり、井戸端会議に参加するようそのお嫁さんの背中を押してあげたという。また、「醤油の貸し借りは簡単ではない」という話もあった。醤油を借りに来た人が小さかった頃から見てきており、その人の性格を熟知しているから、その人の気持ちを察して、気持ちよく醤油を借りて帰ってもらうことができるのだ、という。これら二つの話は共通点があると思う。コミュニティを維持するためには、そのような努力をして初めて維持されるということだろう。背中を押してあげる人たちはコミュニティのありたい姿をイメージできているということだ。今、都会でコミュニティのありたい姿をイメージできている人がどれだけいるだろうか。