研究室紹介

制約の中の豊かさ、とは何か

今後、益々厳しくなる地球環境制約と少子高齢化の社会的制約の中で、これらの制約を受け入れ、かつ、豊かな社会を実現するためには、現在当たり前とされている価値観を見直し、新しいライフスタイルへと変革する必要があります。

本研究室では、制約を前提としてソリューションを導き出すバックキャスト手法を用いて、制約の中で定着してきた戦前の暮らしの知恵や、厳しい地球環境で生き延びてきた生き物から低環境負荷な技術やシステムに学び、最先端の科学技術と融合させ、自然との距離を近づけた持続可能なライフスタイルの創造のための研究を行います。

利便性のみを偏って追求していると、本来存在していた豊かさが見えません。例えば、人は石油由来の燃料を使い手元を明るく照らして生活をしているため、奇麗な星空の存在を忘れてしまいます。90歳前後の方は東日本大震災直後に停電になった時に戦前のころよく見ていた奇麗な星空の存在を思い出したとおっしゃっていました。速く移動する良さに気を取られていると、ゆっくりと旅する楽しさを忘れてしまいます。今の暮らしに制約がかかり、いつもの暮らしができなくなると、見えなくなっていた本来の豊かさが見えてきます。これがバックキャスト手法で新たな豊かさを再発見できるしくみです。そして、再発見するその新価値こそが未来のビジネスチャンスになるのです。

持続可能なライフスタイル研究の領域:

1)バックキャスト思考

バックキャスト思考で未来のありたい姿を描き、それを実現するための道筋(新技術、ビジネス、政策)を検討します。バックキャスト思考のプロセス

2)90歳ヒアリング手法

90歳ヒアリング手法を用いて戦前の暮らし方を分析し、伝承されてきた知恵に学びます。44の失われつつある暮らしの価値

3)ネイチャーテクノロジー

自然界が保有する低環境負荷な技術に学びます。ネイチャーテクノロジーの概念図

4)地域連携プロジェクト

実社会へ適用するために、企業や自治体と連携し、地域主導型のライフスタイル変革プロジェクトを数多く実施しています。秋田県湯沢市、岩手県北上市、栃木県栃木市、東京都杉並区、三重県志摩市、兵庫県豊岡市、鹿児島県沖永良部島などで活動が継続しています。5つのステージ

研究紹介資料:

研究テーマの概要は以下の「古川柳蔵研究室紹介パネル」等の資料をクリックしてご覧ください。

 

 

研究室配属学生数:

2018年度  6名: 3年生 6名(男6名)

2019年度 13名: 4年生 6名(男6名)、3年生 7名(男4名、女3名)

2020年度 17名: 4年生 8名(男5名、女3名)、3年生 8名(男7名、女1名)、博士課程 1名

2021年度 21名: 4年生 9名(男8名、女1名)、3年生 7名(男4名、女3名)、修士課程 2名(男1名、女1名)、博士課程 3名(男3名)

2022年度 23名: 4年生 9名(男5名、女4名)、3年生 7名(男6名、女1名)、修士課程 4名(男3名(うち留学生1名)、女1名)、博士課程 3名(男3名)

2023年度 29名: 4年生 10名(男9名、女1名)、3年生 9名(男7名、女2名)、修士課程 5名(男5名(うち留学生2名))、博士課程 5名(男4名、女1名)