コラム43

2019年7月8日

ヤドカリが住む沖永良部島の砂浜に漂着するプラスチックごみ

 

沖永良部島の浜には、中国や韓国、そのほかのアジアの国から排出されたプラスチックのごみが漂着する。掃除しても次の嵐で再び漂着する。住民は気づいたら拾って片づけるのであるが、際限ないこの行為をどう乗り越えていくのかが重要な問題となっている。今は、お金をかけて自治体が嵐の度に漂着ゴミを片づけるというソリューションしかない。しかし、今、沖永良部島の自治体や住民と連携し、片づけるという行為に別の意味づけをすることによって、楽しみながら回収する方法を研究している。まずは、「ヤドカリング」である。浜にはヤドカリが溢れんばかりに生息している。人が近づくと隠れてしまうため、じっと、動かずに砂浜を眺めていると、大小様々なヤドカリが動き始める。その様子がなんともかわいい。再び、人が動くと、また、貝殻の中に隠れてしまう。人に反応する生き物を見ていると全く飽きない。さらに、こんなかわいいヤドカリが住む砂浜が、なんと汚くなってしまったことか。漂着ゴミを拾うことと同時に、ヤドカリ目線で砂浜をもう一度見つめなおすと、単なる苦痛のゴミ拾いが「ヤドカリング」という行為に変わることによって、別の達成感が得られる。これがライフスタイルソリューションである。