コラム36

2019年4月8日

大学生の感覚

 

ここでは大学名は伏せるが、大学でのグローバルリーダー育成プログラムなどに参加する積極的な学生の感覚は、私が想定するよりもとても素直だと思う。あるリーダー育成プログラムの合宿でバックキャストによるライフスタイルデザインの講義や90歳ヒアリングをリアルに実施してみた。学生は約80名。そこへ90歳の方をお呼びし、私と対談形式で戦前の暮らし方についてゆっくりと話をした。その後、20分ほど、学生から90歳の方への質問を受け付けた。そこでの質問の一つに、「バス停で待っている時など、隣の知らない人に話しかけたりしたのですか?」というものがあった。「いえ、話しかけません。知っている人にしか話しかけません。むしろ、話しかけるなと教育されていた。」という回答であった。恐らく、昔は、助け合いの心が今よりもあり、知らない人にも交流するために話しかけていたのではないか、と想定した質問だったと思う。しかし、予想外にも、逆の返事がきたのである。わかっているようでわかっていないことが多いことに気づいたに違いない。