コラム34

2019年3月8日

雪かき、雪下ろしの問題

 

この1か月の間に湯沢市で90歳ヒアリングを30名近く行った。雪国で現在の共通の課題として、雪かき、雪下ろしの問題がある。道路の雪かきは膨大な費用がかかり、屋根の雪おろし、雪投げは高齢化の町では負荷がかかりすぎ、さらに、転倒して命を落とすこともあり、危険を伴う。戦前の湯沢ではどうであったか。結果は、それほど問題ではなかったということであった。茅葺屋根の時代には、一人が屋根にのぼり、屋根の上部の雪をまずは取り除き、スコップで雪と屋根の間を突き刺すと、簡単にがさーと雪を下ろすことができた。下ろした雪はそのまま放置し、窓から光が入るようにケアするだけでよく、雪囲いをしてあるので、家は大丈夫だという。昔は、家族が大勢おり、屋根がそのような形であり、家と家の間にスペースがあったので、そのように簡単に雪下ろしができた。道路も雪を踏み固めて利用していた。薪を山から降ろすのも、雪を逆利用し、残っているうちにそりで降ろした。雪の作業は、結などのしくみは使わずに各家で行っていた。つまり、それほど問題ではなかったのである。雪かき、雪下ろしは、車社会、都市の家の密集の問題なのである。