コラム30

2019年1月18日

自然を楽しむ感性はどのようにして手に入れられるのか

 

秋田県湯沢市で90歳ヒアリングを行った。院内の話を伺った。この院内には、院内銀山があり、以前栄えた地域で、数多くの人が入り、出ていった地域である。最近、院内銀山に関わりのある人がルーツ探しに訪れるらしい。この院内の戦前の暮らしでは、川に魚がおり、川であゆを手づかみし、大根、白菜などをつけていた。いぶりがっこよりも、当時は干し大根であったという。味噌もつける。雪を利用して保存食にする。このおばあさんがつくった味噌や漬物をいただいた。このおいしさには言葉が見つからない。近所にも配っているという。最後に、この院内で一番いい季節はいつですか?と尋ねると、4月から5月であると言った。どのあたりですかと尋ねると、山が綺麗ですよ、と。このお宅の迎えに小さな川と山があるのだ。「一雨降れば違うなあと」感じるそうだ。葉がほころぶ、それが美しいと。表現が美しい。これは実は90歳ヒアリングをすると必ず出会う豊かな心があってこその感覚である。バックキャスト思考をいくらトレーニングしてもたどり着けない。もっと、自然に近づかなければならない。