コラム26

2018年11月7日

湯沢での話

 

秋田県湯沢市を訪問し、世界発酵人会議に参加した。これは2018年11月3日から11日に開催された発酵をテーマにしたイベント「 Fermentators Week / ファーメンテーターズ・ウィーク」である。若者が活発にまちづくりに参加しているようであった。湯沢市は人口47,000人で、秋田県南部に位置する市である。古くから秋田の南の玄関口として発展してきた。小野小町生誕の地と言われる。ここは、近年、人口減少により、交通網を縮小し、地区によっては、バスの運行が終了され、高齢者の移動は乗り合いタクシーのみとなっている。高齢者が病院へ行くにも乗り合いタクシーであり、病院の薬を受け取るのに予想以上に時間がかかると、タクシーの時間に間に合わず、再び、病院のロビーで2時間待たないといけなくなる。従来は屋根のあるバス停があったが、それもなくなり、冬になるとお婆さんが雪の中、乗り合いタクシーを待つため、樹氷のように立ち尽くしている姿がさみしいという。この状況はおそらく湯沢だけの話ではないと思う。もっと何かを変えないと、環境制約が厳しくなるにつれ、削減、がまんの世界が広がっていくだろう。早急に、制約の中の豊かさを考えなければならない。