コラム25

2018年10月29日

銭湯の役割

 

千葉県の船形で90歳ヒアリングを行った。千葉県はかつての暮らしが最近まで残っている地域の一つで楽しみにしていた。ゼミの学生と一緒に行ったのだが、ゼミの学生も同様に関心があったという「銭湯」の話を紹介したい。かつては、銭湯が社交場だったという話である。上の者が下の者に「背中をこすれこすれ」と言い、下の者は上の者の背中を洗って、流す。それだけではない。銭湯は、その一日のことを振り返り、ああだったこうだったと話をすることに意味があると言う。毎日、その日の出来事を振り返る暮らし、自分でもやってないなと改めて銭湯の意義を知ることができた。何気なく入る銭湯は有意義な時間に変わるのである。子どもの遊びの話は相変わらず面白い。蜘蛛をマッチ箱の中に入れて戦わせた。房州うちわで有名な地域であるが、そのうちわづくりで余った不要な竹で竹馬を作った。竹馬はナタをうまく使って作った。いらない船の陰に友達と集まった。道具を入れる小屋の陰で遊んだ。昔ならではの暮らしである。余り物、無駄な物、陰、そんなネガティブな表現の裏に、遊び心が宿っていく。地域に根差した暮らしとは何か、考えさせられる90歳ヒアリングであった。