コラム24

2018年10月15日

イマジネーションワークショップ

 

持続可能なライフスタイルを考える上で必要なスキルがバックキャスト思考である。これを助けるイマジネーションワークショップを設計した。バックキャスト思考のレクチャーの後に、体を動かして想像力を鍛えるのである。例えば、参加者一人一人の背中に、ある一枚の絵(例えば、動物の絵)をつけ、自分につけられた絵が何であるかを他人のジェスチャーのみで当てるというゲームである。ここでは言葉を発せず伝えることで、相手にどのように表現することで伝わるのか、相手がどのように受け取るのか、お互いの想像力の違いを体感してもらうことができる。沖永良部島海域ではギンガメトルネードと呼ばれる、ギンガメアジが大量に集まり渦を巻く現象が起こる。それを絵にしたものを、背中につけたパターンがあったが、一人の人間が多くの魚の群れという現象を伝えることがなかなか難しく、早抜けゲームであるこの方法では、このカードを付けた者が最後に残りがちであった。しかし、しばらくすると、会場の参加者全員が円になり回答者を中心に囲み、一方方向にぐるぐると周り全員で協力するという行動が2会場で確認できた。ゲームを勝ち負けで決めず、楽しむことを前提にしたことにより、協力し合うという皆の豊かな心が形になったと思われる。言葉無しで通じ合うことの気持ちよさを体感したのであろう。これは44の失われつつある暮らしの価値の中の、「助け合うしくみ」「つきあいの楽しみ」という項目に当てはまる価値である。