2018年9月8日
バックキャスト思考
本日9月7日、バックキャスト思考の本が出版された。『正解のない難問を解決に導く バックキャスト思考-21世紀型ビジネスに不可欠な発想法-』(石田秀輝・古川柳蔵著、株式会社ワニ・プラス)である。これは東北大学大学院環境科学研究科で2005年から約10年間、社会人を主に対象とした環境を学べるコースで教えてきたことが中心に書かれてある。その原点にあるのは、数多くのエコな技術が発明され、社会に導入されてきているが、なぜ、CO2排出量は下がっていかないのか、というシンプルな疑問にある。部分的に見ると、減少しているところもあるが、全体的に見ると、増加している、ということである。この全体最適化をどのように、いかに早く促すのかが重要な問題である。そこでたどり着いたのが、一つは思考法を変えて全体最適化を実現するバックキャスト思考、もう一つが、急がば回れと言うように、シンプルに自分が思う疑問を自問自答し、本質的な問題構造を明らかにし、てこの原理のように効果的に解決できる解を探るシンプルクエスチョンという方法である。このいずれのアイディアも海外の有識者との1対1での議論が私の中での発端となっている。そして、議論がやがて国内の戦前の暮らし方にたどり着く。今思えば、その過程で数多くのご批判を頂きながら改善され、面白い形で手法が発展していったと思う。そのような開発ストーリーを頭の片隅にこの本を読んでいただくと面白いかもしれない。