コラム7

2018年2月1日

再生可能エネルギーに気持ちを込める

 

東北大学において、バックキャスティングで新ビジネスを検討していたころ、『創エネギフト』というアイディアが生まれた。その直後に東日本大震災が起こり、今こそ、このアイディアが生きるときだと思ったことがあった。『創エネギフト』とは、地球温暖化を避けるために化石燃料から再生可能エネルギーへ代替するという地球環境問題解決に寄与することに加え、さらに暮らしに心の豊かさを付与するビジネスアイディアである。具体的には、太陽光発電や自転車発電、エアロバイク発電などの再生可能エネルギーで、気持ちを込めて自らエネルギーを創り出し、電池にためて、それを伝えたい人に贈るのである。もちろん、物理的に電池をお歳暮のように贈ってもいいが、バーチャルに再生可能エネルギーを贈っても気持ちを伝えることもできる。また、東日本大震災直後には、1か月以上も電気が届かなかった地区がある。このような支援が届かない被災地へエネルギーを寄付し、メッセージと共に、エネルギーを受け取ってもらうこともできたはずである。エネルギーを金額換算する世界ではこのようなアイディアは生まれないが、心豊かな暮らしを考えることによって、絶対量として少ない再生可能エネルギーの利用方法が変わる可能性がある。田舎に住んでいるおじいさんやおばあさんが都会の孫が創ったエネルギーをメッセージと共に受け取ったら、どんな気持ちになるだろう。私も受け取ってみたい。