Backcastingからバックキャスト思考への道のり~逆方向を極める~
バックキャストは、環境制約を考慮することにより真なる問題を見つけること、そして、その解決策を制約に基づき生み出される新価値に求めることに特徴がある。そのため、バックキャストのプロセスで生み出される将来のありたい姿には、現在着目されていない新価値が含まれており、このまま何もしなければ発生するだろう問題が消滅していなければならない。新価値の創出はイノベーションである。今の延長線上に解は見当たらない。イノベーションは非連続である必要がある。最も簡単に見つける方法は、今のトレンドの逆方向を極めればよい。効率性を重視しているのであれば、非効率を超えた先に価値を見出し、便利を重視しているのであれば、不便を超えた先に価値を見出し、速さを重視しているのであれば、遅さをさらに超えた先に価値を見いだせれば良い。制約の中の豊かさの本質はそのように視点を変えることであり、思考法を使いこなすことにある。