コラム122

2022年10月23日

無肥料無農薬の生姜

 

未利用資源の活用の事例として興味深いものがある。福島第一原発の事故以来、福島県大熊町の土地で食料生産が長くできていなかったが、この度、無肥料、無農薬の生姜の生産が収穫期を迎えている。福島県大熊町から新たな活動としてこれから発信されていく。震災以降、しばらく放置されていた土地は、その他の土地と違い、肥料まみれになっていない。そのため、土が良い状態になっているというのだ。無肥料無農薬が可能なのは、雑草が生えてくると、それを倒して生姜の根元を覆い、陰をつくるのである。その結果、畑なのに山の中のような状態を生み出せる。微生物が活発化し、生姜生産に適した環境が作られていくのだ。無肥料、無農薬でこれができるのは日本でも数少ない。福島第一原発事故の中心でもうだめだと思われている場所で、日本で継承されている知恵が生かされ、新しい農法が生み出されている。しかもそれを若者も参加して動き出している。早速、この生姜をいただいたがそのまま食べても美味しい。