2021年1月26日
Backcastingからバックキャスト思考への道のり~ライフスタイルデザインの最初の壁~
ライフスタイルデザインという概念が誕生してから、しばらくの間、環境制約を根拠に未来のライフスタイルをデザインすることが研究のゴールとなった。環境制約にどのデータを使うのか。そのデータは過去の推移を未来に延長して得られたものから、地球1個分という条件であるものもあった。これらを環境制約条件と呼び、一旦、設定し、その条件の下、心豊かなに暮らすためには、どのような暮らし方になるのか、検討を繰り返した。即座に、最初の壁が現れた。全く、未来の暮らし方のイメージができないのである。多くの企業人に協力していただき、ハウスメーカー、県庁職員、電機メーカー、学生、営業マン、デザイナー、などなど職種や業種を変えて行ってみたが、いずれも何かにひっかかって出てこないようであった。私自身の例でいえば、最初にライフスタイルを10種類程度描くことは簡単であった。もともと頭の中にあったものを、つまり、誰かほかの人が考えたことが頭に残っていたからである。次に、アイディアが出なくなったので、都市住まい、田舎住まいというように住環境の条件を変えてみた。家族構成を変えてみた。ライフステージを変えてみた。これを繰り返すと、約30種類のライフスタイルを描くことができた。そこで、スランプに陥ったのである。この段階では一応スランプと呼んでおきたい。全くアイディアが浮かばなくなってしまった。そんなはずはない、ライフスタイルが30種類しかないはずがないと悩んだ。これが誰もがぶつかる最初の壁である。