コラム74

2020年10月13日

90歳が私に伝えようとしたこと~毎日欠かせない大事なこと~

 

日本の戦前の暮らしの特徴に、日々の水汲み、手入れ、挨拶がある。その家の嫁が毎日欠かさず行ってきたことである。実は、この3つのことが暮らしを支えている。人は生きていくために水を飲む。水は、家族の飲み水、洗濯、風呂に使う。洗濯、風呂に毎日使わないとしても、家族の飲料水は不可欠である。次に、手入れは物を長持ちさせるのに不可欠である。手入れをしなければ、あっという間に自然の作用によって物は朽ちていく。そして、最後は近所の人との信頼関係を維持するために挨拶やコミュニケーションが必要である。これを怠るといざという時に支え合いができない。つまり、水汲み、手入れ、挨拶は、それぞれ家族とのつながり、自然とのつながり、地域とのつながりを良好に維持するために不可欠なことであり、暮らしを強固に支える基盤である。これを戦前の暮らしでは多くが各家の嫁が担ってきた。しかし、毎日欠かせないことは負担が大きい。将来の環境制約下で持続可能な暮らしを実現するためには、この負担をどのように平準化していくかを考えなければならない。これがライフスタイルデザインをする上で解決しなければならない重要課題である。